ピアノの調律に挑戦

ピアノを置く場所は確保できたのに、ピアノが無いという状況に陥ったので、メルカリでピアノを買った。なんと8,000円。輸送費の方がはるかに高い(笑)。万一壊してしまっても後悔せずにぎりぎり済む程度。これで遊び倒す。

……つまり、このピアノで、調律なる無謀な試みを敢行するのだ。

買ったピアノを早速開けた

東洋楽器製造という会社が作っていた「ワーグナー」というブランドのアップライトピアノ。売主が言うには1970年代に買ったとのこと。

ペダルのロッドは木製

 

ハンマーには弦の窪みがある。変色してるのか、元からこういう色なのかは不明。

ソフトペダルのプッシュロッドのリンク部分は浮いてて遊びがある……と思ったら、支持金具のネジが1本飛んでいた。

全体的に埃で汚れてるが、パーツに酷い腐食などはなさそう。掃除したら、マフラーの支持金具のネジも出てきたので取り付けることができた。

ダンパーが十分戻らないために音が残ってしまう鍵盤が2カ所ほど。ダンパーワイヤーレギュレータなんて高尚なツールは持ってないので、ダンパーを指でぎゅっと押して修正。調律師さんが見たら多分発狂する。

アマゾンで5,570円で買った怪しい調律工具セット。同じセットが同じ程度の値段でAliExpressでも売っていた。チューニングレンチだけでも1万円以上のものを買えと言われてるが、とりあえずは「やってみる」ことを優先。



チューナも数万円する専用ソフトを買えと言われてるが、とりあえずは無料ツールで(広告排除に250円だけ出した)。写真で分かる通り50セント近く狂ってる。

とにかく、チューニングの「真似事」だけでもやってみると分かることが色々ある。調律しようとしている弦以外の音が鳴り響かないように抑えておくことだけだって難しい。弦の響き方やピッチ調整への反応特性が、音高によって、ほぼオクターブ毎に全く異なることに驚いたり。そして、一応は「ピアノ専用」を謳ってるはずのこのチューナーも、最高音近くや最低音近くになると、調律したい周波数を拾ってくれなくなる。最後はやはり耳で聴いてなんとかしなきゃいけなくなることなど。インハーモニシティなんて気にする余裕は全くなく、とにかくチューナーが示す音高に馬鹿正直に合わせるしかない。

30セント~50セントも調律が狂っていて、音を鳴らすと吐き気がするほどひどかったものが、こんな出鱈目な調律でもやってみると鳴らすと鳥肌が立つレベルにまでマシになった。弦の張力を大幅に増したので、まだ音高は安定しない。何回かやり直す必要はある。

調律が終わって、全部閉めた後、鳴らしにくい鍵盤があることに気付いた。アクションを今まで保管されていたのとは異なる部屋で突然解放したから、湿気を吸ってしまったのか?とか慌てたが、マフラーが引っかかってアクションの動きがつっかえてるだけだった。

マフラーペダルの機構が戻り切らなってなくて、ストッパーから浮いている。ばねの取り付け部分を調整してマフラーがきちんと戻るようにしたら、音詰まりは治った。

さて、調律なんて恐ろしい!っと思っていたが、とにかくピアノを弄っても爆発も崩落もしないことが分かったので、これからもう少し調律を学ぼうと思っている。