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シチリア舞曲(シリーズ1回目)

「マニアックなピアノ曲を弾く会」で「イタリア」をテーマに何か演奏してくださいというお題が出たのだけど、困ってしまった。というのも、私はイタリア語も分からないし、イタリアに旅行に行ったこともない。イタリアの何かを表せるような文化的な繋がりが全くないのだ。

それても、テーマを何とかシチリア舞曲にしようと絞り込んで色々調べ始めた。イタリアのシチリア半島に起源を持つ舞曲で、ルネサンス期の終わり頃、16世紀にはこの形式の曲が残っている。

その形式は、8分の6拍子、ないしは8分の12拍子で、♩♪の付点リズムを基調とする(おそらく弦楽器の)伴奏が、シャーンシャン、シャーンシャンと刻んでいる上を、単旋律の楽器がこれまた特有の付点リズムをテーマにした、たゆたうメロディを物哀しく歌うというものだったようだ。

ルネサンス音楽バロック音楽に数多くのシチリア舞曲が書かれ、遅くとも古典派の時期にはシチリア地方どころかイタリア半島から離れた国の作曲家がこの形式の曲を書き始めたようだ。すると、シチリア舞曲の元々の形式は次第に緩んできて、8分の6の付点リズムのゆったりした曲ならシチリア舞曲だろという感じになってきたようだ。私の耳にはバルカローレとの差異があまり無いような曲もある。

シチリアとは何の縁もなさそうな(イタリアから見て)外国人が、伝統や形式を奔放に解釈して作った曲を、イタリアのことをよく知らない日本人の私が日本人の観客相手に演奏するのは、まぁ許されるのではないかと勝手に思った次第。

5月6日に開かれた第24回関西ツイッターピアノの会では、イタリアのオリジンから離れて自由に書かれたシチリア舞曲をとりあげた。

モーツァルト ピアノ協奏曲23番 K.488 2楽章 Adagio

古典派、オーストリアモーツァルト作曲の ピアノ協奏曲23番 K.488 2楽章 Adagioは、独走ピアノとオーケストラ伴奏のために書かれたシチリア舞曲形式の曲である。8分の6拍子、ゆったりとした独特の付点リズムは堅持されているが、独走も伴奏もバロック音楽時代のシチリア舞曲とは一線を画す自由さ、豊かさである。

ピアノ協奏曲であるからと、アマチュアピアノ奏者がこの名曲を弾かずにいるのはあまりに勿体無い。私が演奏したピアノソロ用の編曲の楽譜は

Mozart K.488 Piano Concerto #23 in A 2nd mov. Adagio for piano solo by akof musescore.com


においてある。

この編曲は演奏会用にかなり欲張った内容になっているが、もう少し気軽に弾きたいのなら、これよりシンプルにまとまった Reinecke 編曲版をお勧めしたい。imslpに置いてある。 

Piano Concerto No.23 in A major, K.488 (Mozart, Wolfgang Amadeus) - IMSLP/Petrucci Music Library: Free Public Domain Sheet Music
(pdfへの直接リンク:http://ks.imslp.info/files/imglnks/usimg/b/b4/IMSLP257555-PMLP15393-Mozart_Piano_Concerto_No23_in_A_major_K488__2H_Reinecke_.pdf

第24回関西ツイッターピアノの会@和歌山緑風舎での私の演奏が

20170506 第24回関西ついぴ モーツァルト ピアノ協奏曲23番K.488 2楽章 by Ako Fujiwaka | Free Listening on SoundCloud

においてある。

ボウエン シチリアーノ Op.128, No.1

後期ロマン派、イギリスのボウエンが作曲したこの曲は、旋律部分が単音ではなく、和音になっていて、シチリア舞曲に染み付いた「物哀しさ」から、さらに独特の風合いを出している。

楽譜はimslpにある

Siciliano and Toccatina, Op.128 (Bowen, York) - IMSLP/Petrucci Music Library: Free Public Domain Sheet Music

 第24回関西ツイッターピアノの会@和歌山緑風舎での私の演奏が

20170506 第24回関西ついぴ ボウエン シチリアーノ Op128 No1 by Ako Fujiwaka | Free Listening on SoundCloud

にある。