偽作曲(シリーズ5回目:女性)

偽作曲シリーズ5回目、そして最終回である。前々回で「金」をテーマにしたので、ならば次のテーマは「女」だと半ば冗談に決めたのだが、これが取り組めば取り組むほど奥深いテーマであることがわかり、すぐには発表できなかったのだ。そこで「モーツァルト」をテーマにした回を先にして、そして今回の最終回を飾るテーマとして「女性」を持ってきた。なお、通常「金、女」と並べられる場合の「女」つまり、「男を翻弄する」という文脈では、前回無双のごとく活躍したコンスタンツェの話で十分ではないかと考える。(フリースの「子守歌」が、モーツァルトの作品と取り違えられる経緯にも、裏にはどろどろした男女の人間関係があったのではないかという話もあるのだが、そこまで言及するのは偽作のテーマには相応しくないと考えた)

 

かつて、女性が作曲することを許さない、女性蔑視の時代があり、その中で、女性作曲家は男性の名前を借りたり、中性的なペンネームを使用したりした。今回は、当初は偽名により曲を発表していたが、後に女性としての本名を明らかにしたという事例を「偽作」と捉え、紹介する。

 

ファニー・メンデルスゾーン作曲「フェリックス・メンデルスゾーンの12の歌曲 Op.8より No.3 イタリア」


偽の作曲家ヤーコプ・ルートヴィヒ・フェーリクス・メンデルスゾーン・バルトルディ(Jakob Ludwig Felix Mendelssohn Bartholdy, 1809 - 1847)は、ドイツロマン派の作曲家、指揮者、ピアニスト、オルガニスト。幼少期から音楽の才能を示して神童と知られ、交響曲をはじめとする管弦楽曲、オペラ、協奏曲、室内楽曲、合唱曲、歌曲、ピアノ曲、オルガン曲など多様なジャンルに優れた作品を数多く書いた。その曲数は900を越えると言われ、今なお「十分評価されてない」優れた作品が数多く埋もれていると言われている。
真の作曲家ファニー・メンデルスゾーン=ヘンゼル(Fanny Mendelssohn-Hensel, 1805 - 1847)はドイツの作曲家。フェリックスの実の姉である。膨大なピアノ曲と声楽曲を(殆ど未出版のまま)遺しており、その数は600曲を越えると言われ、フェリックスの作品以上に「知られざる佳曲」が埋もれており、多くの研究家、演奏家が取り組んでいる。

 

ファニーは、弟のフェリックスと共に幼いころから音楽の優れた才能を示していたが、この姉弟の父は、ファニーの(プロとしての)音楽活動には強く反対し続けた。弟フェリックスも、ファニーの音楽の才能は認めつつも、職業的な音楽活動、とりわけ作曲には強く反対し続けた。

 

ファニーが19歳頃に作曲した3つの歌曲は、フェリックスの名で出版された、12 Gesänge Op.8 (1826年)の、No.2, 3, 12に紛れ込むように入れられた。同様に、フェリックスの12 Lieder Op.9(1830年)にも、ファニーの作品がNo.7, 10, 12に隠して収められている。

 

ファニーがようやく自身の名前で作品を発表したのは、それから20年後の1846年である。Op.1 が出版されてわずか1年後に彼女は脳卒中に倒れて亡くなり、彼女の生前に出版されたのは、わずかOp.7までである。

 

ファニーは亡くなる前年頃から、クララ・シューマンとの親交が深まったという記述を見かけるが、クララは(ロベルトと結婚するよりも前の)12歳のころより自身の名で作品を出版しており、クララの影響が大きかったのではないかと夢想する。

 

さて、今回紹介する偽作曲「フェリックス・メンデルスゾーン 「12の歌曲」 Op.8より No. 3『イタリア』 」は、ヴィクトリア女王の愛唱歌となったそうで、フェリックスが女王に謁見した際、「本当は姉の作品なのです」と告白したとのエピソードが伝えられている。

 

この「イタリア」の魅力的なメロディは、類い稀なるファニーの才能が如何なく発揮されていることが感じられるが、同時に凡庸な伴奏からはまだまだファニーが作曲家として発展途上であったことも伺える。

 

なお、フェリックス・メンデルスゾーン名義の Op.8-3 「イタリア」とは別に、ファニー・メンデルスゾーン名義での Op.8-3 (1846年の作曲)はあるわけで、今回は紹介できないが、偽 Op.8-3から20年経ったファニーの作曲の技量がどれほどかを味わうのも一興である。

 

参照:ファニー・メンデルスゾーンとクララ・シューマン

Fanny Hensel – Wikipedia

List of compositions by Fanny Mendelssohn - Wikipedia

楽譜:/3 Songs (Hensel, Fanny) - IMSLP/Petrucci Music Library: Free Public Domain Sheet Music

(Felix Menderssohn) - 12 Gesänge Op.8. No.3 Italien by akof.1 musescore.com



オーギュスタ・オルメス作曲「ヘルマン・ゼンタの『駱駝の歌』」


オーギュスタ・オルメス(Augusta Mary Anne Holmès, 1847 - 1903)はアイルランドにルーツを持つフランスの女性作曲家。14歳のころより作品を発表するが、女性が職業芸術家になることがはしたないとされた当時の風潮から、当初はヘルマン・ゼンタ(Hermann Zenta)という偽名で作品を発表した。実際、オルメスは、パリ音楽院への入学の道は「女性」だという理由で絶たれたのだ(入学できなかった理由には、当時オルメスがフランス国籍ではなかったことも関係するかもしれない)。

 

オルメスは、外国人だという理由でパリ音楽院への入学を断られたリストや、そして後にパリ音楽院への女性の入学を開くセザール・フランクに作曲を学ぶ。

 

オルメスは後に、フェミニズム運動を称揚する交響詩アンドロメダ」や、出自とも関わる社会的メッセージが強い交響詩アイルランド」や「ポーランド」などを発表する。

 

オルメスの死後、彼女の自筆譜はパリ音楽院に遺贈された。

 

さて、今回紹介する偽作曲「駱駝の歌」は、オルメス14歳の時(1861年)にヘルマン・ゼンタの偽名により発表された曲の1つである。1866年にそれは新聞記事で取り上げられているので、それなりに好評だったのではないだろうか。ファニー・メンデルスゾーンとは対照的に、作曲技法を早くから駆使してこちらもただならぬ才能を感じさせるが、一方でメロディを十分に魅せるには若干のせわしなさもある、そしてやはり、若々しさが輝く曲である。

 

歌ではなくピアノソロで弾く場合には、少しゆっくり目に演奏して、メロディを効かすようにした方が好ましいように思う。

 

楽譜:Mélodies pour piano et chant (Holmès, Augusta Mary Anne) - IMSLP/Petrucci Music Library: Free Public Domain Sheet Music

(Zenta Hermann) Chanson du Chamelier by akof.1 musescore.com

 

参照:

Augusta Holmès — Wikipédia

Augusta Holmes (1847-1903)

a biography of the day-augusta holmes (composer)

Augusta Holmès | Open Music Library

Catalog Search Results | Hathi Trust Digital Library

 

レベッカ・クラーク作曲「アントニー・トレントの『眠りの神』」

 

レベッカ・クラーク(Rebecca Helferich Clarke, 1886 - 1979)は、イギリスのヴィオラ奏者、作曲家。少なくとも31曲の作品が知られていて、その殆どがヴィオラを主役にした室内楽曲である。それら作品が評価され始めたのは最近であり、2000年にレベッカ・クラーク・ソサエティが設立されてから、ようやく作品の出版がなされるようになった。

 

クラークは、女性作曲家への偏見から、男性名を使って作品を発表することがあったが、それに伴って、様々な混乱が生じた。作曲コンクールで、クラークが男性名で提出した曲が、他の参加者の作品とともに最優秀に位置づけられた後、クラークは最終的に受賞できないことになった時、「(引き分けが決まった後に)審査員が、作曲者が『女性』であるということを知ったから、彼女には受賞させないことにしたのだ」という疑いの声があがった。その疑いに対しては、クラークが主催者の身内だから、公正性を疑われるのを避けるために、受賞させなかったのだという説明がなされた(が、主催者や審査員の身内が不利に扱われるような音楽コンクールというので、人々は納得できるのか甚だ疑問だ)。

 

クラークは1918年にヴィオラとピアノのための抒情的小品「眠りの神」をアントニー・トレントの名前で発表し、自身の手で初演にかけた。この時のコンサートのチラシを見ると大変興味深いことに、「眠りの神」の作曲者は偽名のアントニー・トレント、演奏者は本名のレベッカ・クラークが記載されている。そして、「眠りの神」の他にレベッカ・クラークが作曲したヴィオラとチェロの二重奏曲が演目に組まれているが、こちらは作曲者の記載は、正しくレベッカ・クラークの名になっている。

 

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果たして、評論家からも客からも「アントニー・トレント」作曲の方は激賞され、一方「レベッカ・クラーク」作曲の方は見事に無視されたということである。当時の風潮は、「女が作曲できることなどありえない」という強い決めつけが、どれほど酷かったかという話である。

 

作曲者不存在の「眠りの神」は、出版されることなく埋もれ、長らく忘れ去られていたが、2002年にようやく出版された。ヴィオラのためのオリジナル曲のレパートリーに飢えているヴィオラ奏者達は、早くもこの曲の素晴らしさに気づき、これを取り上げるようになっている。

 

楽譜:

global.oup.com


なお、レベッカ・クラークの作品は、まだ著作権保護期間内であり、ピアノ用編曲について、どこまで情報を出せるかは、現在Oxford University Pressと交渉中である。

Arrangement/Translation Request Form - Oxford University Press

 

参照:

Worksi | Rebecca Clarke Society

Rebecca Clarke (composer) - Wikipedia

 

Series 5: Female
-- Fanny Mendelssohn "Felix Mendelssohn's 12 Gesänge Op.8. No.3 'Italien'"
---- My Piano Score: https://musescore.com/user/23972581/scores/4419406
-- Augusta Holmès "Zenta Hermann's Chanson du Chamelier"
---- My Piano Score: https://musescore.com/user/23972581/scores/4738631
-- Rebecca Clarke "Anthony Trent's 'Morpheus'"

「イタリア」Franz Grillparzer

Felix Menderssohn の作品として出版された Fanny Menderssohn Hansel の"Itelien" の歌詞もついでに取り上げてみた。こちらは 

Italien (Grillparzer, set by Felix Mendelssohn Bartholdy (misattributed), Fanny Mendelssohn-Hensel) (The LiederNet Archive: Texts and Translations to Lieder, mélodies, canzoni, and other classical vocal music)

にテキストが置いてあったのでそれをそのままコピペして活用。

Italien

Franz Grillparzer

Schöner und schöner schmückt sich der Plan,
Schmeichelnde Lüfte wehen mich an!
Fort aus der Prosa Lasten und Müh'
Zieh' ich zum Lande der Poesie.
Gold'ner die Sonne, blauer die Luft,
Grüner die Grüne, würz'ger der Duft!

 

Dort an dem Maishalm, schwellend von Saft,
Sträubt sich der Aloe störrische Kraft;
Ölbaum, Cypresse, blond du, du braun,
Nickt ihr wie zierliche, grüßende Frau'n?
Was glänzt im Laube, funkelnd wie Gold?
Ha! Pomeranze, birgst du dich hold?

 

Trotz'ger Poseidon, wärest du dies,
Der unten scherzt und murmelt so süß?
Und dies, halb Wiese, halb Äther zu schau'n,
Es wär des Meeres furchtbares Grau'n?
Hier will ich wohnen, Göttliche du:
Bringst du, Parthenope, Wogen zur Ruh'?
Nun dann versuch' es, Eden der Lust,
Eb'ne die Wogen auch dieser Brust!

 

Grüner und grüner Matten und Feld,
Froher das Leben, schöner die Welt!
Fort aus der Sorge düsterem Tal,
Hin in des Frühlings sonnigen Saal!
Bunter die Blumen, süßer der Duft,
Heit'rer der Himmel, frischer die Luft!

 

Sieh', wie die Gemse hüpft und das Reh,
Schau', wie der Bach hinrauscht in den See!
Zu der Lawine dumpfem Getön
Hallen Schalmeien lieblich und schön.
Hüllet der Nebel die Täler hier ein,
Oben ist Freud', ist wonniger Schein.

 

Drüben und droben wär' ich so gern!
Täler und Berge, wie seid ihr so fern!
Ach, und wie fern ist Frieden und Ruh',
Ach, und wie ferne, Liebe, bist du!
Träumend nur seh' ich Rosen noch blüh'n,
Träumend der Alpen Zinken nur glüh'n.
Täler und Berge, wie seid ihr so fern!
Drüben und droben wär' ich so gern!

 

フェアレアと公平さが平等になり、
かわいい風が私に吹き飛ぶので!
散文の負担や悩みから離れて、
私は詩の土地に行きます。
より黄金の太陽、より青い空気、
より多くの緑の緑、より香りの香り!

 

コーングラスの上に、樹液が入った腫れ、
アロエは強烈な強さを持ちます。
オリーブ、サイプレス、一つの光と一つの暗い、
あなたは優雅な挨拶の女性のようにうなずいていますか?
金のように光り輝く、葉に何が輝いていますか?
ハ!オレンジ、素敵なものが隠れている?

 

挑発的なポセイドン、それはあなたでした、
そこに冗談と歓声をあげて、とても甘い?
そして、これは半分の牧草地、半分のエーテル
その恐ろしい海の恐怖でしたか?
私はここで生きています、神聖なもの:
パルテノープ、波に平和をもたらすことができますか?
今それを試してみましょう、喜びのエデン、
この胸の中の波を和らげてください!

 

牧草地や畑をより緑と緑にし、
世界をより美しくする恵みの生活!
暗い谷の心配から離れて、
そして、春の陽気なホールへ!
よりカラフルな花、より甘い香り、
空が細かく、空気がいっそうフレッシュ!

 

アンテロープがどのようにスキップしているのか、そして鹿は、
その川がいかに湖に流入しているか見てみましょう!
雪崩の騒音に
素敵で上質なエコーパイプ。
ここの谷は霧で覆われています。
上は喜び、甘い輝きです。

 

私は嬉しく思っています!
渓谷と山々、あなたはどこまでですか?
悲しいかな、どれくらいの平和と休息 -
ああ、あなたとはまったく同じように、愛です!
唯一の夢は私はバラの花を見て、
唯一の夢は、アルプスのピーク輝く。
渓谷と山々、あなたはどこまでですか?
私は嬉しく思っています!

 

「駱駝の歌」L. de Lyvron

作曲者として Zenta Hermann の名前(Augusta Holmèsが発表当時使っていた男性名)で公表された"Chanson du Chamelier" の歌詞は L. de Lyvron によるものだ。この歌の内容を知りたいのだが、そもそも歌詞が画像化された楽譜上にしかないので、文字起しから始めた。フランス語さっぱりわからん。機械翻訳してみたが謎すぎる



Chanson du Chamelier

L. de Lyvron

Plus loin qu'Alger lamouette blanche, que Tripoli la perle noire, que Fez où les chameaux secouchent èerasès sous les saes d'or au pays au pays au pays où le ciel flambe, legrand Sphinx est endormi, au pays où le ciel flambe, legrand Sphinx est endormi.

Au pays où le ciel flambe, le grand Shpinx est endormi mais quand la lune aux lèvres pales earesse ses lougs yeux baissés sa paupière se relève sa paupière se relève, puis il chante: éeoutez! sa paupière se relève, puis il chante: éeoutez!

Sa paupière serelève, puisil chante, éeoutez! Je comprends les deux mots que disent les étoiles au vent du Sud; je comprends les deux mots que disent los flots du Nil au sable roux! que disent les flots du Nil au sable roux!

Je comprends les deux mots que pleurent les hommes sur les mours gravés; je fais des chansons pour le sage qui regarde, qui regarde dans le passé, pour le sage quire garde qui regarde dans le passé!

 

Algiersの白い幹、Tripoliの黒い真珠、スカイが燃える国の国の黄金の海の下でラクダが乾いているフェズ、スカイが炎上する国で大きなスフィンクスが眠っているフェズ、 レグランドスフィンクスは眠っている。

空が燃えている国では、偉大なシャンパンが眠っていますが、淡い唇の月がまぶたを下げ続けているとき、まぶたがまぶたを上げたとき、彼は歌います。 彼のまぶたは上がっている、そして彼は歌う、聞く!

彼のまぶたは持ち上げられ、彼は歌います! 私は、星が南風に言う2つの言葉を理解しています。 赤い砂でナイル川の波が語る2つの言葉を理解しています! ナイル川の波は赤い砂に何を言うのですか?

私は彫刻された慣習を通して男性が叫ぶという2つの言葉を理解しています。 私は過去に見える賢明な男のために、過去に見える賢明な警備員のために、音楽を作っています!

 

女性に門戸を閉ざしたパリ音楽院

女性の作曲能力に対する偏見については、様々な逸話が残っているが、パリ音楽院が女性(作曲家)に門戸を閉ざしていたことについて調べてみると、少々興味深い結果が得られた。(なお以下は概ねウィキペディアから引っ張ってきているので正確性はあまり期待しない方がよい)

 

ルイーズ・ファランク(Louise Farrenc 1804 - 1875):15歳のときパリ音楽院でアントニーン・レイハに作曲と音楽理論、楽器法を師事。パリ音楽院で女性として初めて教授職(ピアノ科)に就任した。しかし当初は補助職員並みの俸給しか得られなかったために、8年もの間、男性教授並みの給与を求めて闘い続け、教授として正式の認知を勝ちとった。⇒ピアノ科に入学

マリー・ジャエル(Marie Jaëll, 1846 - 1925)旧姓トラウトマン(Trautmann):1862年に公式にパリ音楽院に入学し、同年ピアノ科の首席に輝く。⇒ピアノ科に入学

オーギュスタ・オルメス(Augusta Mary Anne Holmès, 1847 - 1903):早期から楽才を示したにもかかわらず、当時はパリ音楽院に女性の入学が許可されていなかった。フランツ・リストに作品を見せて激励される。1876年からセザール・フランクに作曲を師事する。オルメスの自筆譜はパリ音楽院に遺贈された。⇒パリ音楽院には入学せず。

セシル・ルイーズ・ステファニー・シャミナード(Cécile Louise Stéphanie Chaminade, 1857 - 1944):当時のパリ音楽院の作曲科は女性に対して公式な入学許可を与えていなかった。⇒パリ音楽院には入学せず。

ラニー・ボニ(Mélanie Hélène Bonis, 1858 - 1937)女性音楽家への偏見から、中性的な名前のメル・ボニ(Mel. Bonis)を終生名乗って音楽活動する。パリ音楽院の教授であったセザール・フランクの手引きによりパリ音楽院に入学。1876年から1881年まで、作曲法をエルネスト・ギローに師事、伴奏法をオーギュスト・バジユに師事して優秀な成績を収め、学内では伴奏で二等、和声法で一等を受賞した。「芸術家同士の危険な結婚」を危惧する両親に阻まれ、ボニは卒業を目前に実家に引き戻される。⇒作曲クラスに入学するが、中退。

ナディア・ブーランジェ(Nadia Boulanger, 1887 – 1979)10歳でパリ音楽院に入学し、オルガンをアレクサンドル・ギルマンとルイ・ヴィエルヌに、作曲法をシャルル=マリー・ヴィドールガブリエル・フォーレに、伴奏法をポール・ヴィダルに師事した。⇒作曲クラスに入学、後にパリ音楽院でも教鞭をとることになった

ジェルメーヌ・タイユフェール(Germaine Tailleferre, 1892 - 1983)1912年パリ音楽院のピアノ科に入学

リリ・ブーランジェ(Marie-Juliette Olga Lili Boulanger, 1893 - 1918)⇒パリ音楽院に入学しローマ大賞音楽部門受賞

 

この経緯から、パリ音楽院の作曲クラスが、女性に門戸を開いたのは、1857生まれのシャミナードから、1858生まれのボニの間ということが伺える。(1876年頃)

 

なお、パリ音楽院は女性差別だけではなく、外国人差別もあったようで、ハンガリー出身のフランツ・リストFranz Liszt 1811 - 1886)は、1823年にはパリへ行き、パリ音楽院へ入学しようとしたが、当時の規定により外国人であるという理由で入学を拒否された(こうした規定が存在したのは学生数の非常に多いピアノ科のみであった。他の科においては、外国人であることを理由に入学を拒否された例はない)とのこと。

My Summary of Misattributed Music Works

Misattributed Music Works


Series 1:

Pezold "J.S. Bach's Minuet G-dur BWV Anhang 114"

Score:Minuet in G major, BWV Anh.114 (Pezold, Christian) - IMSLP/Petrucci Music Library: Free Public Domain Sheet Music

My Playing:20170416ピアノマニア弾き合い会「バッハのメヌエット ト長調 BWV Anhang 114」 by Ako Fujiwaka | Free Listening on SoundCloud

Pezold "J.S. Bach's Minuet G-Mor BWV Anhang 115"

Score:Minuet in G major, BWV Anh.114 (Pezold, Christian) - IMSLP/Petrucci Music Library: Free Public Domain Sheet Music

My Playing:Minuet in G major, BWV Anh.114 (Pezold, Christian) - IMSLP/Petrucci Music Library: Free Public Domain Sheet Music

Vavilov "Caccini's Ave Maria"

Piano Score:Free sheet music : Vavilov, Vladimir - Ave Maria (Trans. for Piano) (Piano solo)

My Playing:20170416ピアノマニア弾き合い会「カッチーニのアヴェマリア(ヴァヴィロフ)」 by Ako Fujiwaka | Free Listening on SoundCloud

Giazotto "Albinoni's Adagio"

My Piano Score:(Giazotto) Albinoni - Adagio in G Minor for Piano | MuseScore

My Playing:20170416ピアノマニア弾き合い会「アルビノーニのアダージョ(ジャゾット)」 by Ako Fujiwaka | Free Listening on SoundCloud


Series 2: Sicilian Dance

Dushkin "Paradisi's Sicilienne"

Original Score:Sicilienne in E-flat major (Paradis, Maria Theresia von) - IMSLP/Petrucci Music Library: Free Public Domain Sheet Music

Our Playing:Sicilienne in E-flat major (Paradis, Maria Theresia von) - IMSLP/Petrucci Music Library: Free Public Domain Sheet Music

My Piano Score: (Dushkin) Paradis Sicilienne - for Piano solo | MuseScore

My Playing: 20170513 ピアノマニア弾き合い会 ウェーバー ソナタ Op.10 No1 2楽章 by AkoFujiwaka | Ako Fujiwaka | Free Listening on SoundCloud

Kreisler "Francœur's Siciliana"

My Piano Score: (Kreisler) Francoeur - Siciliana for piano solo | MuseScore

My Playing

20170513 ピアノマニア弾き合い会 フランクールのシチリエンヌ(クライスラー) by Ako Fujiwaka | Free Listening on SoundCloud

Author unknown "J.S. Bach's Flute Sonata BWV1031 2nd Movement"

Kempff's Piano Score: J.S.バッハ=ケンプ ピアノのための10の編曲:全音オンラインショップ

My Palying: 20170513 ピアノマニア弾き合い会 バッハのフルートソナタ2番 BWV1031 2楽章(作曲者不詳=ケンプ編曲) by Ako Fujiwaka | Free Listening on SoundCloud

 

Series 3: Money 

Hofstätter "Haydn's serenade"

My Piano Score: (Hoffstetter) Haydn - Serenade for strings for Piano | MuseScore

My Playing: 20170716ピアノマニア弾き合い会「ハイドンのセレナード(ホフステッター)」 by AkoFujiwaka | Ako Fujiwaka | Free Listening on SoundCloud

Author unknown "Handel's Violin Sonata F-dur HMV370 Op.1-12 2nd Movement"

My Piano Score: Handel - Violin Sonata in F Major mov.3 for Piano Solo (Opus 1 No. 12) | MuseScore

My Playing: 

20170716ピアノマニア弾き合い会「ヘンデルのバイオリンソナタ3番」3楽章 by AkoFujiwaka | Ako Fujiwaka | Free Listening on SoundCloud

Ponce "Weiss's Balletto"

My Piano Score: (Ponce) Weiss - Balletto | MuseScore

My Playing: 20170716ピアノマニア弾き合い会「ヴァイスのバレエ(ポンセ)」 by AkoFujiwaka | Ako Fujiwaka | Free Listening on SoundCloud

Marais "Lully's Gavotte"

My Score: (Marais - Pièces de viole, Livre I #24 Rondeau) Lully - Gavotte | MuseScore

Our Playing: 20170716ピアノマニア弾き合い会「リュリのガボット(マレー)」 by AkoFujiwaka | Ako Fujiwaka | Free Listening on SoundCloud

 

Series 4: Mozart

Casadosus "Mozart's Adelaid Concerto"

My Piano Score:(Mozart) Adelaide-Konzert for Piano Solo 2nd mov. | MuseScore

My Playing:20170924ピアノマニア弾き合い会 カサドシュ作曲「モーツアルトの『アデライード協奏曲』」 by AkoFujiwaka | Ako Fujiwaka | Free Listening on SoundCloud

Trnka "Mozart's 'Leck mir den Arsch fein recht schön sauber'"

My Piano Score:(Mozart) Leck mir den Arsch fein recht schön sauber | MuseScore

My Playing:20170924ピアノマニア弾き合い会 トルンカ教授作曲「モーツァルトの『俺の尻を舐めろ』」 by AkoFujiwaka | Ako Fujiwaka | Free Listening on SoundCloud

Mozart "Walsegg's Requiem"

Listz's Piano Score:Requiem in D minor, K.626 (Mozart, Wolfgang Amadeus) - IMSLP/Petrucci Music Library: Free Public Domain Sheet Music

My Playing:20170924ピアノマニア弾き合い会 モーツアルト作曲「ヴァルゼック伯爵の『レクイエム』」 by AkoFujiwaka | Ako Fujiwaka | Free Listening on SoundCloud

Flies "Mozart's Lullaby K.350/Anh.284f/Anh.C8.48"

Yoshimatsu' Piano Score: ピアノ編曲集 吉松隆 アヴェマリア/子守歌 | 吉松 隆, 田部 京子 |本 | 通販 | Amazon

My Playing: 20180916PleasurePianoPlaying With YAMAHA CFX フリース作曲「モーツアルトの『子守歌』」 by AkoFujiwaka | Ako Fujiwaka | Free Listening on SoundCloud

Angerer "L. Mozart's Kindersinfonie 1st Movement"

Todoroki's Piano Score: ピアノピース-564 おもちゃの交響曲/L.モーツァルト (全音ピアノピ-ス 564) | レーオポルト・モーツァルト |本 | 通販 | Amazon

My Playing: 20180916PleasurePianoPlaying With YAMAHA CFX アンゲラー作曲「L.モーツアルトの『おもちゃの交響曲』」 by AkoFujiwaka | Ako Fujiwaka | Free Listening on SoundCloud

 

Series 5: Female

Fanny Mendelssohn "Felix Mendelssohn's 12 Gesänge Op.8. No.3 'Italien'"

My Piano Score: (Felix Menderssohn) - 12 Gesänge Op.8. No.3 Italien | MuseScore

Augusta Holmès "Zenta Hermann's Chanson du Chamelier"

My Piano Score: (Zenta Hermann) Chanson du Chamelier | MuseScore

Rebecca Clarke "Anthony Trent's 'Morpheus'"

偽作曲(シリーズ4回目):モーツァルト

ヴォルフガング・アマデウスモーツァルトWolfgang Amadeus Mozart、1756年1月27日 - 1791年12月5日)はオーストリアの音楽家。神童といわれ、5才で初めて作曲した。父親レオポルト・モーツァルトは宮廷音楽家であり、息子のヴォルフガングを様々な音楽の場に連れていき、音楽教育を施した。6歳の時に神聖ローマ皇后マリア・テレジアの御前で演奏したり、またヴェルサイユ宮殿ルイ15世王女マリー・アデライードの部屋にも出入りしていたようである。短い生涯のうちにオペラ、交響曲ピアノソナタなど幅広いジャンルで700曲あまりの曲を作曲した。レクイエムは絶筆。国外旅行により習得した各地の音楽書法を縦横に駆使し、さらにヨハン・クリスティアン・バッハの知遇を得てその影響を受けた。さらにヴィーンに定住後は、ハイドンJ.S.バッハの対位法技法を取り込み、円熟の境地に至った。

 

カサドシュ作曲「モーツァルトの『アデライード協奏曲』」


偽った作曲家マリウス・カサドシュ(Marius Casadesus, 1892 – 1981)はフランスのヴァイオリニスト・作曲家。音楽家一家として知られ、兄アンリは、ヴィオラ奏者・作曲家として、甥ローベールはピアニストとしてよく知られている。また兄アンリも「C.P.Eバッハのヴィオラ協奏曲」「ヘンデルヴィオラ協奏曲」「J.C.バッハのチェロ協奏曲」の偽作が知られている。マリウス・カサドシュの作曲としてヴァイオリンのオーケストラのための交響曲(1951)やバイオリンやチェロのソロ作品があるようだが、これらが現在演奏されることは殆どなく、一般的に知られているのは「アデライード協奏曲」のみといってよい。

このアデライード協奏曲は、1933年にマリウス・カサドシュによって「発見」された。カサドシュによれば、発見されたモーツァルトの自筆譜には、は、1766年5月26日の日付(当時モーツァルトは10歳)でルイ15世の長女アデライード王女への献辞が書かれており、楽譜は2段譜になっていて、上段は独奏パート(に加えてトゥッティ)が、下段はバスが記入されているということだった。しかも、アデライード王女が用いる女性用の小さなバイオリンは「高く調律した方がよく鳴る」ことから、独奏パートは移調楽器扱いされてニ長調で書かれ、下段はホ長調で記譜されているという、マニアックな説明までなされた。が、その一方で、発見された自筆は誰にも決して閲覧させず、カサドシュはそれを「編曲して」出版した。

ショット社によって出版されているこの曲の楽譜においては、この曲が「モーツァルト作曲でない」ことの研究成果が説明されており、さらに1977年には著作権裁判において、カサドシュはついにこの曲が彼の作曲であることを自ら認めたのではあるが、今なおショット社はこの曲に関して「モーツァルト作曲」という体裁を決して崩しておらず、カサドシュに作曲者としての地位を与えていない。

バイオリン独奏部分はニ長調、バスはホ長調で書かれた「モーツァルトの自筆譜」と同等のものから「カサドシュの編曲」には依存せずにピアノソロ用に編曲した2楽章を演奏した。

(Mozart) Adelaide-Konzert for Piano Solo 2nd mov. by akof2 musescore.com

20170924ピアノマニア弾き合い会 カサドシュ作曲「モーツアルトの『アデライード協奏曲』」 by AkoFujiwaka | Ako Fujiwaka | Free Listening on SoundCloud

トゥルンカ教授作曲「モーツァルトの『俺の尻をなめろ、きれいさっぱりと』」

 

真の作曲家、ヴェンツェル・トゥルンカ・フォン・クルゾヴィッツ(Wenzel Trnka von Krzowitz, 1739 - 1791)はチェコの医師、ブダペスト大学医学部教授、アマチュア作曲家。余技として作曲をしていたようで、彼の死後61曲のカノンが見つかり、そのうちいくつかは出版された。モーツァルトとの親交があったことが分かっている。


俺の尻をなめろ、きれいさっぱりと:モーツァルトの作品として知られている「俺の尻を舐めろ」は2曲ある。1つは、K.231 (382c) 6声カノン「Leck mich im Arsch」。タイトルを日本語に訳せは「俺の尻をなめろ」。もう1つは、K.233 (382d) 3声カノン「Leck mir den Arsch fein recht schön sauber」つまり「俺の尻をなめろ、きれいさっぱりと」である。モーツァルトの妻コンスタンツェが、モーツァルトが亡くなって困窮の中、モーツァルトの作品をかき集めて次々出版して糊口を凌いだが、1800年に出版したBreitkopf&Härtelにこの作品が収録されていて、モーツァルト作品だと考えられてきた。下品ネタの大好きなモーツァルトの真骨頂ともいうべきこれらの歌詞は、ブライトコプフ全集においては、前者の曲についてはヘルテル(Gottfried Christoph Härtel, 1763-1827)が作詞した「愉快にやろう、不平や愚痴はつまらない Laßt froh uns sein」という歌詞が、後者もヘルテル作詞の、「わたしゃ酒が何より一番 Nichts labt mich mehr als Wein」に差し替えられていた。

1988年、ヴォルフガング・プラート(Wolfgang Plath)が、"Opera incerta"学会で、K.233 (382d) 3声カノン「俺の尻をなめろ、きれいさっぱりと」について、トゥルンカによる自筆譜を発見したと発表し、この曲の真の作曲者が明らかになった。(なお、プラートの学会発表は、芸術的価値の低い作品のために研究者が少なからぬ時間と労力を注入し、資料調査のために税金を使って旅行をすることが果たして正当化できるのか?という議論のための「芸術的価値の低い作品」の例として、この作品が取り上げたのだそうだ)

ところで、”Leck mich im Arsch” (俺の尻をなめろ)は、ある意味定型的な慣用句なようで、日本語に当てはめれば「糞喰らえ!」と言ったような感じらしい。モーツァルトとその悪友のトゥルンカ教授達が、集まって悪巫山戯(ふざけ)で、こんな下品な曲を高らかに歌って楽しんでいたのではないかと想像される。曲はトゥルンカ教授作でも、歌詞はモーツァルト作だと今でも考えられている。原語では次のような歌詞であって、機械語翻訳しても、十分にそのお下劣は分かるだろう。本日は、日本語訳も付した。御笑覧アレ。

Leck mire den Arsch recht schon,
fein sauber lecke ihn,
fein sauber lecke, leck mire den Arsch
Das ist ein fettigs Begehren,
nur gut mit Butter geschmiert,
den das Lecken der Braten mein tagliches Thun.
Drei lecken mehr als Zweie,
nur her, machet die Prob’
und leckt, leckt, leckt.
Jeder leckt sein Arsch fur sich.

原曲楽譜:Canon for 3 Voices in B-flat major, K.233/382d (Mozart, Wolfgang Amadeus) - IMSLP/Petrucci Music Library: Free Public Domain Sheet Music

(Mozart) Leck mir den Arsch fein recht schön sauber by akof.1 musescore.com

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参照:K.229-348

シンポジウム要旨49-1

Mozart Studies - Google ブックス

Opera incerta: Echtheitsfragen als Problem musikwissenschaftlicher Gesamtausgaben : Kolloquium Mainz 1988 : Bericht im Auftrag des Ausschusses für musikwissenschaftliche Editionen der Konferenz der Akademien der Wissenschaften in der Bundesrepublik Deutschland, 第 11 号
ISBN 3-515-05996-2、頁237から258まで。

 

モーツァルト作曲「ヴァルゼック伯爵の『レクイエム』」K.626


作曲を偽ったのはフランツ・フォン・ヴァルゼック=シュトゥパッハ(Franz von Walsegg-Stuppach, 1763-1827)オーストリアの地方都市グロッグニッツのストゥパッハ城主、貴族。

この曲は、最晩年に貧窮するモーツァルトが、匿名の人物からゴーストライティングを依頼されて、100ドゥカーテン(およそ250万円?)で請け負って作曲したものである。

1791年8月末に「灰色の服を着た使者」がモーツァルトのもとへやってきて、高額な報酬でレクイエムの作曲を依頼した。前金として半額を受け取ったモーツァルトは10月頃からその作曲に取り組むが、病に苦しみ、「自分自身のためのレクイエム」を作曲していると言いつつ、12月5日亡くなってしまう。

この匿名の依頼主が、フランツ・フォン・ヴァルゼック=シュトゥパッハという人物であったことは1964年にようやく明らかになったのだが、このヴァルゼック伯爵は、有名作曲家に作曲を依頼し、その曲を写譜したうえで、自作の曲として発表してしまう、奇妙な趣味の人物であったらしい。モーツァルトに依頼したレクイエムは、作曲依頼の前年に亡くなったヴァルゼック伯爵夫人のためのものだった。

モーツァルトは作曲半ばに亡くなってしまうが、経済的に行き詰っていたモーツァルトの妻、コンスタンツェはモーツァルトの弟子、フライシュテットラー(Jacob Freystädtler)に、次いでアイブラー (Joseph Eybler)に、さらには、ジュースマイヤー(Franz Süßmayr)に依頼して、1792年3月にレクイエムを補筆・完成させ、ヴァル¬ゼック伯爵に渡して、残りの高額報酬を受け取ることができた。ヴァルゼック伯爵は受け取った楽譜を写譜して、自身の作とした上で、1793年12月14日に、ヴィーナー・ノイシュタット市の修道院付属教会で、夫人アンナの追悼ミサを行いこの曲を指揮した。

ところで、したたかなコンスタンツェは、ヴァルゼック伯爵に隠れてレクイエムの写譜をしており、それらをBreitkopf & Härtel社やプロイセン国王に売却し、結果ブライトコプフ社から、モーツァルトの名前で1800年に出版されることになる。

モーツァルトが8小節目までを作曲し、その後をジュースマイヤーが補筆した第6曲ラクリモーザ(涙の日)の、リストによるピアノ編曲版を演奏しました。
楽譜:

Requiem in D minor, K.626 (Mozart, Wolfgang Amadeus) - IMSLP/Petrucci Music Library: Free Public Domain Sheet Music

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フリース作曲「モーツァルトの子守歌 K.350/Anh.284f/Anh.C8.48」


真 Bernhard Flies, 1770 - ? ドイツの医師(他の作品は全く知られていない)。

モーツァルトの妻コンスタンツェはモーツォアルトが亡くなった後、1809年に外交官ニッセンと再婚した。ニッセンは1828年に「モーツァルト伝」を出版したが、その本の付録部に子守歌をモーツァルトの作品として記載し、コンスタンツェもモーツァルトの作品のようだと認めたことが誤りの原因だといわれている。

ドイツの歌曲研究家モックス・フリートレンダーが、ハンブルクの図書館で1795年頃の曲集の中にフリードリッヒ・ヴィルヘルム・ゴッター(Friedrich Wilhelm Gotter)作詞/フリース作曲と記載してあるのを発見し、真の作曲者が明らかになった。

参考:http://www007.upp.so-net.ne.jp/kanematsu_ped/mozart/Mozart_01.html

Partial Guide to the Memorial Library of Music Collection

 

原曲楽譜:http://imslp.org/wiki/Wiegenlied,_K.350_(Mozart,_Wolfgang_Amadeus)

ピアノソロ用編曲: フリース作曲「子守歌」吉松隆編曲  

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アンゲラー作曲「L.モーツァルトの『おもちゃの交響曲』」

真の作曲家エトムント・アンゲラー(Edmund Angerer, 1740 - 1794)はオーストリアチロル地方の作曲家、ベネディクト会神父。7曲のミサ曲(そのうち4曲はシュタムス修道院の蔵書)、5曲のオラトリオ、7曲のジングシュピールカンタータ、さらに十数曲のリートやアリア、室内楽が残っている。
偽の作曲家その1:フランツ・ヨーゼフ・ハイドン(Joseph Haydn, 1732 - 1809)
偽の作曲家その2:ミヒャエル・ハイドン(ヨーゼフ・ハイドンの弟)(Michael Haydn, 1737 - 1806)
偽の作曲家その3:レオポルト・モーツァルトアマデウスモーツァルトの父)(Leopold Mozart, 1719 - 1787)

 

ヨーゼフ・ハイドン説:

1813年、ライプツィヒのホーフマイスター社(Hoffmeister)から、フランツ・ヨーゼフ・ハイドンの作品として"Kindersymphony"(日本では「おもちゃの交響曲」とするのが定訳)が出版された。
ハイドンの研究家であるカール・フリードリヒ・ポール(Carl Friedrich Pohl)(1809-1868年)が、この「おもちゃの交響曲交響曲」を度重ね研究し、それを1788年ごろのヨーゼフ・ハイドンの作品であると推測されると発表。以降このハイドン作曲説が広く信じられ、ホーボーケン番号Hob. II:47も付与されている。一方、ヨーゼフ・ハイドン自身の作品目録に、この『おもちゃの交響曲』の記載はなく、また地方の「ベルヒテスガーデン」特有の音楽形式をウィーンのハイドンがわざわざとりあげることなど音楽形式上の疑問は多数指摘されていた。

 

ミヒャエル・ハイドン

1938年、エルンスト・フリッツ・シュミット(Ernst Fritz Schmid)という音楽研究家が、、オーストリアメルク修道院蔵書から、ミヒャエル・ハイドンの親友である P・ヴェリガント・レッテンシュタイナー(ベネディクト派)修道士が作成した『おもちゃの交響曲』の写譜が発見され、そこにはミヒャエル・ハイドン作と記されていた。
ミヒャエル・ハイドンは1763年から亡くなる1806年まで、ザルツブルク宮廷楽団のコンサートマスターや大聖堂のオルガニストを務め、ベルヒテスガーデンはザルツブルクの近郊であり、ミヒャエルがベルヒテスガーデン音楽を取り上げるのはそれほど不自然ではない。この後に、様々な手書き写譜が発見され、様々な真の作曲家説が検討されているが、これら写譜同士を比べてなお、ミヒャエル・ハイドンが真の作曲家とする説は今なおある。
しかし、楽譜に記された楽器構成は、知られているおもちゃの交響曲とは異なり、なによりおもちゃに関して何の記載もないところが、この楽譜をオリジナルと考えるには不可解な点。

 

レオポルト・モーツァルト説:

1951年、シュミットが今度は、ミュンヘンバイエルン州立図書館で、マクシミリアン・ラープという写譜家に手による、レオポルト・モーツァルトの作曲と記された、7曲からなるト長調のカッサシオン(Casatio ex G) の写譜を発見する。この7曲のうち3曲(の一部)は、「おもちゃの交響曲」と内容的に酷似していることから、一気にL・モーツァルト作曲説が広まった。

 

エトムント・アンゲラー説:

シュミットはさらに、「モーツァルト年鑑(Mozart-Jahrbuch)」の1952年号において、ハイドン研究家のロビンス・ランドン(「ハイドンのセレナード」の真の作者がホフシュテッターであることをつきとめた研究家)がチロル地方のシュタムス修道院(Stifr Stams)に、おもちゃの交響曲の手書き譜が所蔵され、作曲者名がアンゲラーになっていると主張していることを報告しているが、これはあまり注目されなかったようだ。
そして、1992年、シュタムス修道院から、1770年ごろのエドムント・アンゲラーの作曲と記された「ベルヒトルツガーデン音楽」の楽譜を発見されたという報道があった。それは、1785年ごろ、当時シュタムス修道院の修道士であり、聖歌隊指揮者でもあったシュテファン・パルセッリ(Stefan Paluselli, 1748 - 1805)による写譜で、そこには「ベルヒテスガーデン音楽」(Berchtolds-Gaden Musick)と書かれ、ベルヒテスガーデン名産の木製玩具である、カッコウ(Kuckuck)、ウズラ(Wachtel)、ラッパ(Trompete)、太鼓(Trommel)、ガラガラ(Ratsche)、雌鳥の笛(Orgelhenne)、トライアングル(Cymbelstern)が指定されている。

 

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シュテファン・パルセッリによるおもちゃの交響曲の写譜

 

 

参照:

ミステリー「おもちゃの交響曲」

偽作?疑作?

おもちゃの交響曲 - Wikipedia

「おもちゃの交響曲」の作曲者は誰? - 人生の目的は音楽だ!toraのブログへようこそ

おもちゃの交響曲

楽譜:Kindersinfonie (Angerer, Edmund) - IMSLP/Petrucci Music Library: Free Public Domain Sheet Music

ピアノソロ用楽譜:「L・モーツァルトのおもちゃの交響曲1楽章」轟千尋編 

20180916PleasurePianoPlaying With YAMAHA CFX アンゲラー作曲「L.モーツアルトの『おもちゃの交響曲』」 by AkoFujiwaka | Ako Fujiwaka | Free Listening on SoundCloud

 

 

シチリア舞曲(シリーズ4回目)

前回は、合奏のシチリア舞曲をとりあげたが、今度は、ピアノ独奏用に作曲されたシチリア舞曲をとりあげてみた。

モシュコフスキー/詩的な小品より「シチリアーノ」Op.42-2(Moszkowski "3 Morceaux poétiques" Op.42-2 "Siciliano")

3 Morceaux poétiques, Op.42 (Moszkowski, Moritz) - IMSLP/Petrucci Music Library: Free Public Domain Sheet Music

20170813ピアノマニア弾き合い会 詩的な小品より「シチリアーノ」Op.42 - 2(モシュコフスキー) by AkoFujiwaka | Ako Fujiwaka | Free Listening on SoundCloud

 

シューマン/子どもの為のアルバム Op.68 No.11「シチリアーナ」(Schumann "Album für die Jugend" Op.68 No.11. "Sicilianisch")

Album für die Jugend, Op.68 (Schumann, Robert) - IMSLP/Petrucci Music Library: Free Public Domain Sheet Music

20170813ピアノマニア弾き合い会 子供の為のアルバムより「シチリアーナ」Op.68 - 11(シューマン) by AkoFujiwaka | Ako Fujiwaka | Free Listening on SoundCloud

 

スタマティ/古風なジャンルのシチリアーノ Op.28(Stamaty "Sicilienne dans le genre ancien")

https://lateottomangreekartmusicians.files.wordpress.com/2017/01/stamaty-sicilienne_a-48155.pdf

20170813ピアノマニア弾き合い会 古風なジャンルのシチリアーノOp.28(スタマティ) by AkoFujiwaka | Ako Fujiwaka | Free Listening on SoundCloud

 

これら音源は2018/08/13のピアノマニアの弾きあい会で演奏したものである。